地下水保全参画メニュー
PARTICIPATION
冬期湛水事業は、農家の方のご協力のもと稲刈り後の11月から3月までの5ヶ月間、水田に水を張ることにより地下水をかん養する取組みです。何も作られていない冬場の水田に水を張ることで、年間を通じて地下水を育み、私たちの生活を支えています。

冬期湛水事業の実施地区・推定かん養量
令和6年11月から令和7年3月までの5ヶ月間、6市町村11地区で農家の皆さまのご協力により、令和6年度は、前年度より15.3ha増の65.8haに実施面積を拡大し、推定かん養量は627万㎥となりました。

熊本地域の地下水の流れと湛水実施地区



冬期湛水事業 協力農家インタビュー
冬期湛水事業にご協力いただいている農家の方のインタビューを紹介します。
数十年後の未来のために
夏場の米作り+湛水=地下水保全

甲佐町 目野地区
田上 和孝
さん湛水を行っていた他の地区の方にあぜ塗りを頼まれたことがあったんですよ。それがきっかけで湛水を知って、自分たちもやりたいと思い10年前にこの湛水を始めました。最近は、半導体企業関連のニュースなどで地下水が取り上げられることも多くなって、先駆けてこういった活動をしていてよかったと思います。地区の農家も高齢化して、水管理や鹿、猪などの対策等大変なことも多いですが、皆で協力し地区一体となって湛水を行っています。営農効果として、雑草の抑制やジャンボタニシ被害の防止にとても効果的でした。
この地区は、山からの湧き水を農業用水として使っていて、すごく恵まれているんだなと思っています。湛水することによって、その水が熊本地域の方々に地下水となって利用してもらえるのは良いことだなと思って、今は頑張れています。水が無いとどうしようもないですしね。今すぐためになることではないでしょうけど、数十年後の未来のために、やり続けることが大事だと思っています。
高齢化が進む地区 それでも湛水を続ける
それは「命の水」を守るため

西原村 小野地区
西岡 哲也
さん(右)西原村 滝地区
西野 秀登
さん(左)財団さんから湛水をしないかというお誘いがあり7名の農家でスタートした湛水も今年で9年目になります。
高齢化が進むこの地区の農家にとって、水漏れや水張りの状況を確認する見回りや、湛水の準備、水の管理等、大変なことはありますが、周りの農家の方々の理解・協力を得ながら、徐々にですが参加者も増えてきています。
地下水は目に見えるわけではないので、どれだけ役に立っているのかは分からないけれども、私たちも地下水を使っているので、湛水をして地下水を守っていくことの意義を皆で感じています。また、私たちは、水源が近くにあるので水で不自由を感じたことがないけれど、水で苦労している地域も沢山あるので、水は大切なものだと強く思っています。
地下水は、人が生きていくための「命の水」です。皆さんも同じように考えて下さっていると思っています。そんな地下水を守るために少しでも力になれれば、という思いでこれからも頑張っていこうと思います。